奈良の選択

 大阪でのコロナ感染者増加が著しい。とかく声の大きい大阪の行政面が目立つが15日に医療面で重要な動きがあった。奈良県は15日、県内の民間病院に新型コロナウィルス感染者を受け入れるよう要請したと発表した。

 

奈良県では感染者を原則、病院か宿泊療養施設で受け入れており、自宅療養を認めていない。専用病床の使用率は15日時点で72%に達している」

 

 奈良県は現在大阪のベッドタウンと認識されることが多いが、実は日本でも有数の教育立県である。内陸で資源に乏しく、経済的力は歴史遺産に頼るしかなく、人々の声は弱く小さい。教育に力を入れるあまり、受験面だけに焦点があたる傾向はマイナスな事象も生み出している。しかし医療・教育が密接に連動していることは、こういったデータにはっきりと表れてくる。

 

「感染者の再拡大が急速に進む中で、病床確保へ自治体の選択肢が多くあるわけではない。関西2府4県、鳥取、徳島両県などで構成する関西広域連合は病床が不足した場合、余裕のある他府県で受け入れることを申し合わせている。しかし関西広域連合に参加する大阪市の松井氏は15日の記者会見で、感染者が増えている関西各地で受け入れ調整することについて「見通しがたたない」と認識をしめした。